好きな言葉「己所不欲、勿施於人」

本日は私の大好きな孔子(中国古代の哲学者・教育者)の言葉「己所不欲、勿施於人」を紹介します。

人として最も大切なことは思いやり

「己所不欲、勿施於人」とは、中国の古典”論語”に書かれている孔子の言葉です。”己の欲せざるところは人に施す勿れ”という意味で、もっと分かりやすくすると「自分がされて嫌なことは人にもしない」です。
論語
この言葉の由来は、孔子の弟子である子貢(しこう)が孔子に「人として最も大切なことを、一言でいうと何ですか」と聞くと、孔子は「恕(じょ)という言葉だ」と答えました。「恕」とは、相手の状況や心情を思いやることです。子貢はさらに「思いやりとはどんなことでしょう」と聞くと、孔子は「己の欲せざるところは人に施す勿れ」と答えたそうです。

「自分がしたいこと」だけでは、人間関係はうまくいかない

私がこの言葉に出会ったのは、当社を創業した後のことです。

大学を卒業した後、九州の企業で6年間サラリーマンとして働きました。その後、独立のために上京し、知人もいなければお金もない状況で創業しました。

創業当初、多くの困難に遭遇し、自分はどうすべきか迷うことが増えました。サラリーマン時代の先輩などさまざまな方に相談し、助けてもらったこともありますが、相談しても解決しないことが増え、何か解決のヒントになることはないかと本を読むようになりました。
「致知」という月刊誌の中で出会ったのがこの言葉です。

日常生活はもちろん仕事でも、相手の立場になり環境や心情を思いやるようにしています。「自分がしたいこと」だけでは、人間関係・ビジネスはうまくいきません。

30歳を過ぎてからこの言葉に出会いましたが、今では私の行動規範になっています。

自分がとるべき行動をとる

「自分がされて嫌なことは人にしない」という考え方を裏返すと、「自分がしてほしいことを人にする」という視点もあります。しかし、自分が善意で行動しようと思っても、相手がそれをどう受け取るかを心配してちゅうちょしてしまう人もいるかもしれません。

文化や伝統の違い、そして時代の変化により、人々の価値観や考え方・行動は多様化しています。しかし、孔子の言葉を代表する儒教の教えは、人間関係や社会のあり方に関する普遍的な倫理的な価値観の指針とされています。

今後も、孔子の教えに基づき、自己を磨き、適切な行動を心掛けるよう精進して参ります。