山林の如く、根を深く、背を高く
経営者として日々さまざまな課題や問題に直面するなかで、希望と不安、喜びと失望が交錯する瞬間は少なくありません。未来に向けた計画を立て、実行に移し、結果を受け止める。その過程には常にプレッシャーとストレスが伴います。
だからこそ、私にとって欠かせないものが「健康」であり、心身の充実です。健康は単なる生活習慣ではなく、経営を続けるうえでの基盤、つまり礎であると考えています。
朝のルーティン ― 自分に向き合う時間
私が健康維持のために続けている習慣のひとつが、毎朝のルーティンです。4〜5年前から、起床後に45分から60分ほどを自分のために確保することを決めました。その時間には、ストレッチやラジオ体操、スクワット、腕立て伏せなどを行います。単に体を動かすだけでなく、心を整える大切な時間でもあります。そもそものきっかけは、会社の朝礼で全員で行っていたラジオ体操でした。しかし、コロナ禍によって在宅勤務が増え、皆で集まることが難しくなりました。そこで私は、この習慣を自宅でも続けるようになったのです。体調が優れない日や気分が乗らない日もあります。
しかし「これは自分のための時間であり、未来の健康をつくる貴重な習慣だ」と。すぐに結果は出なくても、積み重ねることで必ず理想の心身に近づける。その信念が、毎朝の取り組みを支えています。継続は力なり。今では生活の一部となり、欠かせない日課となっています。
夜の水シャワーと週2〜3回のジム通い
もうひとつの習慣は、夜の入浴後の水シャワーです。お風呂で体を温めた後、最後に冷水を浴びることで自律神経が整い、免疫力が高まると言われています。慣れてくると爽快感があり、翌朝の目覚めにも良い影響を与えてくれるようになりました。さらに、週に2〜3回はジムに通うことを10年以上続けています。筋力トレーニングやランニングで心肺機能を鍛え、汗を流して体内の老廃物を排出する。トレーニング後にはサウナと水風呂でリフレッシュし、心身のリセットを図ります。こうした取り組みを重ねた結果、体重は大きく変わることなく安定し、風邪を引くこともほとんどなくなりました。健康な体で日々を過ごせることは、経営者個人のためだけでなく、共に働く仲間を支え、お客様へ安心と信頼を届けるための責任でもあるのです。
健康と経営の共通点
経営には、日々の小さな判断の積み重ねが未来をつくるという側面があります。健康もまた、目に見える即効性はなくとも、毎日の習慣の積み重ねが確実に成果を生みます。両者には深い共通点があると感じています。社員一人ひとりが健康であることは、会社の力そのものです。私が毎日の習慣を大切にしているのは、自分自身のためであると同時に、皆が健やかに働ける環境をつくりたいからです。社員の皆さんにも、無理のない範囲で「自分なりの健康習慣」を見つけて続けてほしいと願っています。その積み重ねは必ず人生を豊かにし、会社全体の力を高めていきます。そしてお客様に対しても、私たちが健やかであることが安心につながります。「任せてよかった」と思っていただけるように、まずは自らが整っていることが何よりも重要だと考えています。
山林の如く ― 共に歩む未来へ
私は経営者として、世のため、人のため、お役に立てる存在でありたいと願っています。そして、ご縁をいただいたお客様、共に働く社員の皆さんにとって、少しでもプラスとなる存在でありたい。その思いを胸に、日々の仕事に向き合っています。その姿勢を表すとすれば、それはまさに「山林の如く」です。根を深く張り、風雪に耐え、背を高く伸ばしていく。大地にしっかりと根を張るからこそ、天に向かってまっすぐ成長できる。
企業も同じです。社員一人ひとりの努力という「根」があってこそ、お客様に信頼を届ける「幹」となり、未来に広がる「枝葉」となります。
健康の習慣も、経営の取り組みも、一見すると地味で即効性はなく、日々の積み重ねに過ぎないかもしれません。しかし、その積み重ねこそが未来を形づくり、揺るがない基盤となります。社員の皆さん、そしてお客様と共に、山林の如く根を深く、背を高く伸ばしながら、これからも挑戦を続けてまいります。